歯並びでお悩みの方へ
無理に治療を勧めることはしません
院長である私自身も、子どもの頃、受け口だったので矯正治療を受けました。また、30歳を過ぎてから再治療として成人矯正を経験しました。そして、今は思春期の子どもを持つ母親でもあります。
患者さまの気持ちがわかるから、タイミングに合った提案ができます
ですから、「装置が見えるのが嫌」「からかわれたり虐められたりするのではないか」と悩み、矯正治療の決心ができない思春期のお子さまの気持ちがよくわかります。そして、矯正した方がいいとわかっていても、素直に受け入れられない年頃でもありますよね。矯正治療はご家族と本人のやる気が大事な治療ですから、時には本人が矯正したいと思うタイミングになるまで待つ場合もあります。
決して無理に治療を勧めることなく、さまざまな立場の患者さまやご家族、皆さまの気持ちに寄り添いながら、矯正歯科医師としてふさわしい方法を見い出し、ご提案していきたいと考えています。
本人がやりたいと思う「タイミング」が大切です
矯正治療にはまず、本人のやる気が大切です。そのうえで家族の協力が必要です。
中学校や高校時代は、テストや受験、部活で忙しい時期です。また自意識が高まり、外見が気になり、友だちとの関係も複雑な時期です。
「どうしても嫌だ」というお子さまに無理矢理に勧めても途中で挫折したり、親子の関係がこじれることもあります。本当に本人が直したいと思う、そんな人生のタイミングで矯正治療を提供することが大切だと考えています。
もちろん、医師の立場から早期治療のメリットをお話しします
子どもの時に矯正をしておくメリットはたくさんあります。また、早くきれいな歯並びや顔立ちを手に入れることができれば、それだけ早く充実した青春時代が送れることも期待できます。
タイミングは、その人のメリットでありチャンスでもあります。長い人生の中で、どの時期に矯正をするのか、親御さまが客観的な大人の目線からきちんと説明しアドバイスしていただくことも必要です。
●早期治療のメリット例
- 大人になってから矯正を行う必要がなくなる場合がある
- 顎の成長をある程度コントロールできるので、良い治療結果が得られやすい
「矯正は痛いから嫌!」そんなイメージを払拭します
当院では、奥歯の方から部分的に矯正治療を進めていくことで、患者さまの負担を緩和する治療を心がけています。また、柔らかく引っ張る力を抑えたワイヤーを使うことで痛みに配慮しています。
中学校や高校時代は、テストや受験、部活で忙しい時期です。また自意識が高まり、外見が気になり、友だちとの関係も複雑な時期です。
装置を初めて着けたり、力を調整したときには、多少歯が浮くような感覚があります。個人差がありますが、ほとんど数日間でおさまります。
痛みや違和感を考えた矯正が可能です
矯正治療の場合の「痛み」は、歯がしっかり動いている証拠です。ですから矯正治療に慣れ、歯が動いて歯並びが直ってきたことが実感できると、患者さまの方から「もっとワイヤーを強めてほしい」と要望されることもあります。
最近は 治療技術や矯正装置の進歩により、装着した際の痛みや違和感を緩和した矯正治療が可能になっています。「矯正は痛いもの」というイメージに囚われず、気になることがあれば、ぜひ相談していただきたいと思います。
●痛みを考えた治療例
- 奥歯の方から順番に治療
- 柔らかく引っ張る力が弱いワイヤーを使用
- 痛みや違和感を緩和した装置を活用
いろいろなご希望やご事情に、柔軟にお応えできます
矯正治療は2年から3年という長い期間が必要ですから、その間に患者さまのライフスタイルや環境が変わる場合があります。当院では、できるだけ患者さまの要望や事情に合わせた治療スタイルをご提案して対応しています。
お子さまや学生の場合は、定期テストや受験試験の前、部活の試合や習い事の発表会の前など、矯正治療のストレス負担を考え、一時的にワイヤーを緩めて痛みを緩和するなどの工夫を行っています。
結婚式などイベントにも対応します
結婚式や卒業式など、人前に出る場合や記念写真を撮る場合は、患者さま本人の希望に応じてなるべく目立たないような工夫を行っています。透明のマウスピースや、寿ワイヤー(ホワイトワイヤー)など目立たない装置を使うこともあります。
イベントのためにいったん矯正装置を外してしまうよりは、治療を効果的に続けていくために、目立たないようにする工夫で行事やイベントを乗りきる方法を積極的にご提案しています。
学校へ通うお子さまへのフォローには自信があります
お子さまの矯正治療が始まると、3~4週間に一度の通院治療が必要になります。お子さまの場合、土曜日・日曜日や平日の夕方を希望される方が多く、希望のお時間に予約を取りにくいこともあります。
そこで患者さま一人ひとりとじっくり向き合って治療を行うために、なるべく平日の日中に治療を受けていただくようにしています。学校の年間予定表を持ってきてもらうなどして、できるだけ学校の授業に支障がない日に通院日を設定しています。
担任の先生にお手紙を書くこともあります
場合によっては、早退や遅刻にならないように、午前中の早い時間に一時退室という形で来院していただくこともあります。担任の先生に理解してもらい、配慮していただくように、院長名で協力をお願いする手紙をお渡しすることもあります。
最近は、学校歯科検診でむし歯のチェックだけでなく、歯周疾患や歯並びについて詳しく保護者に知らせるなど、歯並びの大切さへの認識が深まり、矯正治療への理解や配慮が一般的になってきています。お子さまを中心に、親御さま、学校、歯科医師が協力して、矯正治療を進めていきたいと考えています。
●患者さまの都合に合わせて治療
- 試験や発表会の前はワイヤーを緩める
- 結婚式や卒業式は目立たない装置を活用
- 学校へ当院から協力を依頼
子どものうちの矯正を勧めるのは、大きな理由があります
成長期の子どもは成長を利用しながら治療が進められるので、よりスムーズな矯正治療が可能です。子どものうちに矯正すると、歯並びや噛み合わせはもちろん、顎の骨そのものを動かすこともできるので、顔立ちが自然な形に整うことも期待できます。
例えば下顎が小さく出っ歯の場合は、矯正治療を受けるうちに小さかった顎が大きく成長し、口元がぐっと引っ込んで顔立ちが整います。また、しゃくれていた顎が後方へ引っ込み、相対的に鼻が高くなることもあります。
見た目だけでなく、心身の成長に役立ちます
早いうちに歯並びや噛み合わせを直しておくと、歯磨きがしやすくなり、むし歯や歯周病の予防効果があります。また、よく噛めるようになるので、内臓へ負担が軽くなり、全身への健康にいい影響があります。
さらに魅力的な笑顔を引き出し、自信を持って人前で話すことができるようになるので、思春期の心理面の成長によい影響をもたらします。
なお、歯の成長発育に問題をきたしそうな場合や、後から生えてくる永久歯に悪影響を及ぼしそうな場合、治療しておけば永久歯の矯正治療の必要がなくなる可能性がある場合などは、永久歯が生え始める6~7歳の予防的な矯正治療をお勧めしています。
●子どものうちに矯正を進める理由
- 成長を利用してスムーズに矯正できる
- 歯磨きしやすくなるのでむし歯予防ができる
- 成人してからでは、仕事や家庭に都合をつけて通院するのが大変である
大人の矯正は、手術を伴う可能性があります
大人になってからも矯正治療は可能で、最近は増える傾向にあります。部分的な矯正の場合は比較的容易ですが、成人してから顔立ちを整えるためには、骨切り・骨削り手術(輪郭矯正)という全身麻酔を伴う入院治療が必要です。
手術を受けることは心理的なストレスが大きいうえに、入院するために学校や仕事の都合をつける必要があります。主婦の方であれば、家事や子育ての都合をつける必要があり、さまざまな面でとてもリスクが大きくなってしまいます。
でも思春期の子どもに納得してもらうのは大変ですよね
お子さまの矯正治療に適した時期は、いわゆる思春期や反抗期であり難しい年頃です。矯正の必要性がわかっていても素直に取り組めない、ご家族が説得してもなかなかいうことを聞かないものです。そんな時に無理をして治療を進めることはないと私は考えています。
それは、成長するにつれどの子にも必ず直したいと思う時がくるからです。「卒業写真を見てショックを受けた」「スマホで可愛く写りたい」「異性の目が気になってきた」など、周りの目を気にしたり、自分の外見が気になる年頃になれば、自然に直したくなるものです。
一人ひとりに適したタイミングがあるはずです
本人が「やりたい」と思った時が矯正のタイミングなのです。現在の症状とその先に起こりうるリスクを本人にもご家族にも詳しくご説明しますが、本当に取り組むかどうかはご本人次第です。
「大人になってから、その気になってから矯正してもよい。でも会社に勤めながら矯正するのは大変よ」などと具体的なアドバイスを心がけています。
ご存じですか。欧米では矯正治療をするのが当たり前です
豊かな表情を大切にする欧米では、健康的で整った美しい歯並びが一般的です。ですから、アメリカをはじめ欧米の歯科先進国では、中流以上の家庭ではほとんどの子どもが小さいうちに歯科矯正を終えるのが一般的です。
大人になっても歯並びが悪いのは、家庭に特殊な事情があったのではないかと考えられることが多いのです。アメリカに留学した方が、日本にいた時は気にならなかった出っ歯について留学先で多くの人に指摘され、帰国後すぐ矯正治療を受けるために来院された例もあります。
将来を考えた選択をお勧めします
もちろん欧米人からの評価が全てではありませんが、国際化社会になり外資系企業が増え、外国人との交流も増えてきています。ひと昔前の日本では八重歯がチャームポイントである風潮がありましたが、最近は日本でも美しい歯並びへの意識が高まっています。
将来、国際的に活躍することを期待したり、就職や結婚などで不利にならないことを考えると、子どものうちに矯正をしておくことはとても大切な選択だと思います。